コラム映像技術「SFX」「VFX」「CG」って何が違うの?

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2014-11-12|

映像技術「SFX」「VFX」「CG」って何が違うの?

宇宙空間やファンタジーな世界、激しい戦闘シーンなど、
ただ現実にあるものを撮影するだけでは映すことができない映像に
必要不可欠な映像技術があります。

それらは「SFX」、「VFX」、「CG」とそれぞれ呼ばれています。

映画のメイキング映像や関連記事でもよく見かける言葉ですが、何を意味しているのか、
いまいちピンと来ていない人も多いのではないかと思われます。
これらの違いとは一体何なのでしょうか。
映像技術の種類を見ていきましょう。

 VFXとCGの関係ついて 

「VFX」は略称で、本来は「ビジュアル・エフェクツ(視覚効果)」と呼ばれます。
VFXは映像制作における技術の一つですが
撮影後の映像制作作業(ポストプロダクション)の中で作られる映像効果です。
そしてVFXには、コンピュータを使って作られる「CG(コンピュータ・グラフィックス)」映像が必須となります。

例えば、撮影現場では役者のみ撮影している映像に、後から背景にCGで作った広大な宇宙の世界を合成したり、
現場では実弾が出ないモデルガンを使って撮影された銃撃シーンに、
CGで作った銃弾を後から追加するといった映像効果は、全てVFXと呼ばれます。

撮影された実写映像素材を元に新たな映像効果を追加する技術をVFXと呼び、
VFXで用いられる広大な宇宙や銃弾のデジタル映像素材を作り出すのがCGなのです。

VFXという言葉は1990年代にはすでに存在していましたが、
それらの映像技術の進歩の以前から、
SFXは存在していました。

 VFXの始まりとされるSFX 

SFXとはVFXと同様の映像技術ですが、
使用される技法に違いが見られます。

「SFX」とは「スペシャル・エフェクツ(特殊効果)」の略称であり、
撮影後に行われるVFXとは違い、撮影現場で生み出される映像効果のことを指します。
これらはデジタル処理が用いられる以前から使われている技術です。

例えば特撮映画でよく見られる非現実的な現象の再現となる映像(ミニチュア模型で撮影された災害シーン等)や、
特殊メイクや特殊造型で作られたモンスター、ダミー人形を用いた怪我の描写など、
それらは全て撮影現場で使われている効果で、このSFXに分類されます。
また撮影技術の工夫で編み出された、光学処理による映像合成(光合成)や、
決定的瞬間をスローモーションで細密に映し出すハイスピード撮影もSFXの一つとして活用されています。

かつては舞台美術装置や撮影技術の工夫によって様々な効果のある映像を生み出していました。
この特殊効果を技術的に進歩させ、撮影後のデジタル処理で可能としたものが、VFXと呼ばれるようになったのです。

 映像技術の発展 

映像制作は常に技術の進歩と共に進化しています。
かつてはSFXで表現していたものが、デジタル技術を用いたVFXの登場により、映像表現の幅を大きく広げました。

ですがSFXだからこそ可能な、演じる役者の臨場感、肌感は現在の撮影現場でも重宝されており、
SFXとVFXを併用して新たな映像効果を生み出している作品は数多く存在します。
 
SFXもVFXも、非現実的な映像を生み出すという根本の目的は変わっておりません。
今後も普遍的な目標の上で、さらに技術が発展し、
よりクオリティの高い映像制作が行われることでしょう。

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2014-11-12|
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