CG映像の完成度を左右する「プリビズ」
近年、VFXの制作現場でプリビズが注目されています。
VFXとは、特撮を用いた映画やテレビドラマで、現実には見ることのできない画面効果を
デジタル処理で実現するための技術のことです。
プリビズとはPre Visualizationの略語です。プレビズとも呼ばれます。
プリビズは、VFXによってCG映像を実際に制作する前に、
完成した状態を想像できるシミュレーション映像を作成することを意味します。
また、その映像そのものをプリビズと呼ぶ場合もあります。
プリビズはCG映像の完成度を左右します。プリビズは精度の高い絵コンテと考えればいいでしょう。
プリビズの登場の背景には、次のような要因があります。
1 作品のクオリティアップ、制作期間の短縮、コストの削減
2 リスクの回避
3 映像制作が複雑化して完成状態や制作過程が事前に分かりにくくなった
4 制作の合理化
5 ラフなCG映像がすばやく制作できるようになった
プリビズには様々な効果が期待できます。
1 完成したCG映像のイメージがシェアしやすくする
絵コンテでは、細かく説明しても限界があり、具体的な映像を
イメージしきれない場合があります。
しかし、プリビズという形で動画にすれば、完成したCG映像のイメージを
シェアしやすくなります。
絵コンテでは解釈の違いによる行き違いや誤解を生む可能性がありますが、
プリビズならそうしたリスクを抑える効果があります。
2 試行錯誤しながらCG映像のイメージを練り上げていくことができる
最初は絵コンテを元にプリビズを作成します。
イメージと違う場合は、それを元に修正を行い、試行錯誤しながら
CG映像のイメージを練り上げていくことができます。
アイデアが混沌としている段階では、イメージを固めるための手段として
活用することもできます。
予算と時間が許す場合、プリビズの導入は検討の価値があります。
プリビズは新たなプロセスを導入するため、制作期間が長くなる場合もあります。
しかし、プリビズは最終的なCG映像の完成度を高めることに貢献します。